消火器を購入しようと調べてみると「ABC粉末」とか「ABC火災対応」などと書かれていたりして、一体これは何?という質問が多く寄せられます。このABCとは、実は国の規定で定められているどのような火災に対応しているかということを表しているのです。
この図の通り、A火災・B火災・C火災に分類されており、【A火災】は木や紙などの水で消火できる可燃物による普通火災、【B火災】は灯油、ガソリン、食用油など水では消火できない油火災、【C火災】は、配電盤やコンセントなど、水をかけると感電する危険がある電気火災という3つの火災に対応しているという意味になります。
ABC火災対応と書かれている消火器は普通火災、油火災、電気火災の消火に対応している消火器です。
ただ、販売されているすべての消火器がABC火災対応品という訳ではありません。消火器を購入されるときは、安いからとかオシャレだからといった理由だけでなく、使う場所に適した消火能力かどうかををしっかり調べてから購入しましょう。
ABCの後ろにある数字はなに?
消火器のスペックを調べると【A-3・B-7・C】などの数字が記載されていると思います。これは消火能力単位といって、その消火器の消火能力を表しています。単純に数字が大きければ消火能力も高いということになります。消火能力単位の決め方は火災模型を使い判定を行います。
防火対象物に消火器を設置する際は、必要な消火能力の単位を算出して、消火器を選びます。
国家検定品について
補足として、消火器の検定品についてもご説明します。検定とは、規格を法令で定め公的な検査機関で厳しい試験や検査を行い、その品質を確保しようとする制度です。検定に合格していないものは販売することや販売目的で陳列することが禁止されています。しかし、法の網をかいくぐって検定を受けていない消火器っぽい商品(特に輸入品)も販売されていたりするのが実情です。万が一、火災が起こった時、その消火器が消火できない粗悪な物だったら全く意味がありませんから、検定品以外の消火器は絶対に購入しないでください。