消火器による破裂事故がこれまでに数多く発生しています。現在までに報告されている消火器事故のすべてが加圧式消火器によるものです。破裂事故による死者・重体者も出ているので、使用期限を過ぎているものや野外に放置されていたものには十分に注意して下さい。

平成21年度以降の消火器事故(すべて加圧式消火器)

 平成21年9月15日  大阪市大阪府  自宅近くの駐車場に置いてあった消火器を触っていたところ、消火器が破裂し頭部を直撃し、男の子が意識不明の重体
 平成21年9月16日  福岡県行橋市  倉庫に置かれていた消火器を誤って操作し破裂、男性が負傷
 平成21年9月30日  愛知県一宮市  消火器の産廃処理中に誤って消火器が操作されて破裂、男性が負傷
 平成21年10月11日  千葉県船橋市  屋外にある消火器の移動中に誤って操作してしまい破裂、男性が負傷
 平成22年2月27日 滋賀県栗東市 消火器のレバーを握ったところ消火器が破裂し負傷
 平成23年7月22日  徳島県那賀町 工事中に放置されていた消火器を移動する際、誤ってレバーを握ったところ消火器が破裂し顎を直撃、男性が負傷
 平成23年7月25日 鹿児島県霧島市  野外にある消火器を動かしたところ消火器が破裂、男性が負傷
 平成23年8月2日 栃木県佐野市 放置されていた消火器の放出操作をしたところ消火器が破裂し、男性が負傷
 平成23年9月11日  大分県宇佐市 産廃処理中、誤って消火器が操作されて破裂、男性が死亡
 平成25年6月20日 宮城県仙台市  消火剤を放出させようと操作したところ、消火器が破裂、男性が負傷
平成25年7月8日 岡山県倉敷市 消火剤を放出させようと操作したところ、消火器が破裂し顔面を直撃、男性が重傷

上記の事例のように毎年、消火器による事故が発生しております。消火器を操作したり、腐食が酷いものに関しては動かしただけで消火器が破裂してしまうといった事故が発生しています。ヘコみ変形、サビが発生しているような加圧式の消火器は絶対に放射しないでください。思わぬ事故に発展する恐れもありますので、使用期限が越えた消火器は適切に処分しましょう。

 

古くなった加圧式消火器の注意点

消火器事故

 

破裂事故の原因は加圧式消火器の構造にあります。何らかの要因で、本体容器内のボンベから加圧ガスが容器内に放出されると急激な圧力がかかります。その圧力に耐えられなくなった容器は破裂します。

 

 

・消火器には耐用年数が設定されています。年数を過ぎた消火器は見た目では分からなくても腐食が進んでいたり、キャップの緩みが出ていたりします。思わぬ事故を防ぐためにも耐用年数は必ず守りましょう。

・消火器は屋外や水回りの近くなど湿気の多い場所で保管すると、腐食が進みが早く耐用年数以内でも破裂する危険性が高まります。サビや変形がないか定期的に点検をしてください。

・消火器の底部が黒く変色していたり、塗装の剥がれやキャップの破損、容器が腐食している場合は非常に危険な状態です。レバーを握ったり、衝撃を与えたりすると破裂する危険性があります。

 

底の変色 塗装がはがれた消火器 キャップの破損
腐食が進んで黒く変色 塗装の剥がれ キャップの破損

 

破裂しない蓄圧式消火器

pp-10c加圧式消火器による相次ぐ受傷事故発生の為、各消火器メーカーは加圧式消火器の生産をストップし、蓄圧式消火器へ切り替えを行いました。(蓄圧式と加圧式の違いはこちら)

蓄圧式は製造コストが高いため、加圧式消火器と比べ高い価格で販売されておりましたが、生産切り替えによって大量生産が可能となり以前の加圧式消火器とほとんど変わらない価格で販売されております。

安全性が高く、破裂リスクのない蓄圧式消火器の導入をおすすめします。